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「うさぎ組」ってどういうもの?を説明します。

コスモスが秋風に揺れる頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は、今まで私こと大山結子が「組長」を務めさせていただいている作品、通称「うさぎ組」についてのお話をしたいと思います。

今までは「組員」の皆さんやお仕事関係の方、「うさぎ組」が発表するアートイベントにご来場くださった方にのみお伝えしていたのですが、おかげさまで最近どんどん有名になり「うさぎ組って、いったい何なのかしら?」と知りたがってくださる方が増え、アート/芸術業界の方からも問い合わせいただけるので、無料でいつでも閲覧できるこのサイトにて説明させていただこうと思います。

いわゆるコンセプチュアルアートでもあり、ちょっと難解な部分もありますので、ここではなるべく噛み砕いた、分かりやすい表現での説明にしたいと思います。

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うさぎ年の時には、こんな年賀状までありました。
うさぎ年の時、あまりにも「うさぎ組」への出演依頼が多かったため、却ってほとんど全てをお断りすることになりました。それでも流石に、天下のカイカイキキ社様からの出演依頼はお受けさせていただきました。
だってそれは、その年の3月11日に起こった「東日本大震災」への寄付でもあったんですもの。

さて、ここからが本題です。

■通称「うさぎ組」は、現代アート作品です。

とある大学を世界史の一芸入試で合格したこともある、世界史が得意だった、そして子供の頃からずっと「三度の飯より絵が好き」という美術一筋人間でもあった私こと大山結子が「化粧品類のための不要な動物実験の廃止を求める市民活動」と「美術」を融合させて作った「現代アート作品」。それが「うさぎ組」です。

作品「うさぎ組」は、作品形態「平面」でもなく、作品形態「立体」でもなく、作品形態「空間」でもありません。作品形態は「NGO」です。
作品形態がNGOという現代アート作品を私こと大山結子が発明し、「作品形態がNGOの現代アート作品です」と言い張って、国内外での公的なミュージアム様や有名なギャラリー様に認めていただき、活動や発表をさせていただいております。

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世界的に有名なザルツブルグ音楽祭にあわせて、ザルツブルグ博物館で開催された「日本の芸術展」のために、ザルツブルグの街のあちこちに出現したポスターがこちら。「日本」をアピールするために漢字を用いたデザインですが、内容はドイツ語です。「日本の芸術展」でのパフォーマンス公演で共演してくださった、増山麗奈さん、佐々木裕司さんと、うさぎ組の大山結子がモデルとしてポスター内に登場しております。
日本・オーストリア国交樹立140周年記念事業の際のポスターです。

それでは次に、作品「うさぎ組」の「コンセプト」、内容について。

■作品「うさぎ組」の構成のモトとなっているのは、ピタゴラスの名言「動物にしたことは、人間に返ってくる」です。

私を含め、人間たちは今まで様々なネガティブなことを、人間以外の動物たちに行ってきました。その因果はいつか私達に巡ってくるのでしょう。
「そんなネガティブな因果をなくしたい」という思いが、私にはありました。
そこで登場するのが「ハリセン」や「ピコピコハンマー」といった道具です。
「ハリセン」や「ピコピコハンマー」などは、殴る、叩くといった、本来なら暴力であり、ネガティブイメージであるはずの物事を、嬉しくて楽しいスマイル、喜ばしい笑いといった、ポジティブイメージの物事に変換する装置です。この装置を用いて「うさぎさん」が観客に、許可をいただいてから「殴る」をさせていただきます。
これにより、人間の犠牲になった動物の象徴である「ウサギ」が、人間へ、されたことを返した、〜ただし、ネガティブをポジティプに変換した形で〜、という構図ができ上がります。
つまり、人間が犯してしまった、いつかきっと巡ってくるネガティブで恐ろしい因果が浄化されますように、と祈りを込めているのです。

最近は、お客様に頼んで「殴る」をさせていただく時、まるで私達が巫女さんにでもなって、神職の方がお祓いをする時に使う神祭用具の御幣を振っているかのような錯覚をおぼえます。
「うさぎさんが殴るという行為は、どこか『お祓い』に似ている」。僭越かつ勝手ながらも、なんだかそう感じます。

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「うさぎさん」(本谷真里さん)が、了承してくださった海外からのお客様に「殴る」をさせていただいた時の様子。作品「うさぎ組」は、さりげなく海外の方に大人気です。もしかしたら海外からのお客様も「巫女さん」のような、日本特有のモノを感じていらっしゃるのかも知れませんね。
この写真は、カイカイキキ社様のギャラリーにて発表させていただいた、作品「うさぎ組」シリーズの一つ、観客巻き込み型インタラクティブ・インスタレーション作品『うさぎ組戦記』の記録写真です。

また、うさぎさんがお客様に頼んで「殴る」をさせていただく時、必ずお客様に「殴ってもいいですか?」と質問させていただきます。そして了承をいただいてから、ハリセンやピコピコハンマーなどによる「殴る」をさせていただきます。「殴る」をさせていただいたら、必ずお礼を言い、「殴らせていただいたお礼」として、ささやかな品をお渡しします。
了承をいただけなかった場合は、失礼しましたと言い、すっと身を引きます。
つまりこの時、お客様は「自分が殴られるか、殴られないか」を、自分の意志で選択することができるのです。作品に参加したら必ず「殴る」を受けるのではありません。お客様には選択の自由があります。
私はこの点も、大量生産、大量消費と共にある、資本主義社会についての表現や問いかけをしている作品「うさぎ組」の内容に密接に関係する、重要な要素だと考えております。
(この辺りは、ちょっと難しい話になるので、またの機会に。)

■テーマは「種差別」です。

作品「うさぎ組」は、種差別への「問いかけ」をしています。
反対も賛成もしていません。行っているのは「問いかけ」です。
ここで、ごく簡単ではありますが、種差別に関する歴史を紹介させてください。
1937年、フランスの哲学者であるデカルトさんが、著書の『方法序説』の中で、「動物機械論」を唱えました。詳しくは書籍をお読みいただきたいのですが、敢えてごくごく簡単、かつ大雑把に「動物機械論」の内容を記しますと、「人間以外の動物は理性を持たない、時計のようなものである」といった内容です。これを根拠に、人間以外の動物に残酷な行為をする、いわゆる「動物実験」などが爆発的に始まったり、広まったりしました。

ところが、1975年に出版されたピーター・シンガーさんの著書『動物の解放』をきっかけに、リチャード・ライダーさんなどが動物の権利解放運動を行い始めました。特に1980年代からは世界的に動物実験の反対運動が起こりはじめました。
この頃以降、非科学的かつ残酷な動物実験をはじめとする、動物の権利を無視したかのような行為へ、人々は疑問を抱くようになったのです。

つまり、「人々が種差別について考えている」というのは、1975年から始まった、今現在に特有の現象なのです。
作品「うさぎ組」は、正に今この時代の特有な現象を表現している作品です。

■価値観

作品「うさぎ組」は、「種差別をテーマに、化粧品類のための不要な動物実験の”撲滅”を掲げて戦う、うさぎレンジャー」というストーリーの作品です。台本、脚本だけでなく、テーマ曲などもあります。
美術や音楽や身体表現といったメディアの垣根を越え、様々なジャンルでのプロ芸術家の皆さんたちの、ほとんど無償での技術提供によって成り立っているグループです。ほぼボランティアです。
これは「経済的な利潤追求を価値の中心に置く市場原理主義や資本主義経済」とは異なる価値観によって成立している、という部分を全面に出したグループでの活動や発表となります。これが、何かへのヒントになるのではないか?とも思います。

■様々な解釈

作品「うさぎ組」は、「現代アート作品」ですので、お客様達それぞれ、様々な解釈ができるようになっているかと思われます。その中で、ちょっとアート通な人だけが感じるかな?と思う解釈があるので、それをコッソリここに書いてみます。

「化粧品類のための不要な動物実験」の中で最も代表的で、「あまりにも残酷すぎる」と筆頭に挙げられるのは「ドレイズテスト」という実験です。
それは、また、ごくごく簡単、かつ大雑把に説明してしまいますと、「目に異物が入っても涙で洗い流すことができないウサギの目に異物を入れる」という実験です。
そして、奇行をする「うさぎ組」を「見てしまった」ということは、観客は洗い流すことができません。
なので、作品「うさぎ組」は、犠牲の象徴であるウサギに代わって、抽象度の高い「ドレイズテスト」を観客に行っていると捉え、解釈することも、できるようにしてあります。

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招待していただけて、作品「うさぎ組」がパリのシャンゼリゼ通りを襲撃する様子がこちら。
シャンゼリゼ通りを襲った奇行種…。フランスの皆様から、駆逐されずにすみました。(笑)

■私は動物愛護主義者ではありません。

最後に、どうしても言っておきたいことがあります。
よく間違われて毎回まいかい言ってるので、ここにも記します。
私こと大山結子は、動物愛護主義者ではありません。
動物は、好きじゃありません。嫌いでもありません。普通です。特にこれと言って興味はありません。興味があるのはアートや芸術です。

私が中学生か高校生の時に、「THE・BODY SHOP」(ザ・ボディショップ)という、当時、化粧品類の動物実験反対運動の、日本におけるパイオニア的存在だったお店の店内で、「化粧品のための動物実験」についての情報を知らせる展示を見かけました。
私が「THE・BODY SHOP」の店舗に立ち寄ったのは、お店の商品やロゴのデザインなどが美しいと感じたからです。動物実験の問題とは無関係です。
その時「THE・BODY SHOP」の店内で、生まれて初めて「化粧品のための不要な動物実験」という社会問題を知りました。それまでは、この社会問題の存在を知ってすらいませんでした。そして、この問題を「見て見ぬ振りはしたくない」と思ったのです。その頃から少しずつ、「化粧品類のための不要な動物実験について」の不買や署名などを行い始めました。

つまり私は中高生の頃から、たまたま、この社会問題が気になっていただけです。決して、動物愛護をしたいから、作品「うさぎ組」を作ったのではありません。順番は逆です。私はまず「絵を描くために作られた」という存在です。そして、中高生の頃からこの社会問題に興味があったので「この社会問題を扱ったアート作品を作りたい」と思いついたのです。

ではでは、作品「うさぎ組」については、まだ語り足りないところもありますが、あまり長文でも読みにくいかと思われますので、要点のみ説明をさせていただきました。

ちなみに、「うさぎ組」では、うさぎ組WEBサイト(途中まで制作してあります)の制作をしてくださる方を、絶賛大募集しております。WEBサイトに使う素材などは、既に用意しております。あとは、「WEBデザイン技術を提供してもいいですよ」という方が現れ、それを実行してくださるのを待つのみなのです。

ああネメシス様、そのWEBデザインうさぎさんは、いつになったらあらわれてくださるのでしょうか…。
(※ネメシス様とは、作品「うさぎ組」ストーリー内に登場する神様で、ギリシャ神話に由来しています。)

それでは、読んでくださり、ありがとうございました。

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☆大山結子☆